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茅と蚕
物語の二つの柱




この物語には
決して欠かすことのできない
二つの柱があります。
一つは、天を仰ぐ「茅(かや)」の屋根
この巨大な屋根を守り続けてきたのは
この地に古くから伝わる
「結(ユイ)」や「合力(コーリャク)」
という助け合いの心です。
茅を刈り、一束一束を
人から人へ運ばれ葺かれた屋根には
人と人が手を取り合い
互いの暮らしを支え合ってきた
「絆」が宿っています。
もう一つは、屋根の下で息づく「蚕(かいこ)」の命
合掌造りの独特な形は
蚕を健やかに育てるために進化してきました。
風を通し、温もりを蓄える広い屋根裏は
蚕にとって最高のゆりかご。
人は蚕のために家を整え
蚕は美しい絹を紡いで、
人々の暮らしを豊かにしてきました。
茅が結ぶ「人の和」と 蚕が紡ぐ「命の循環」
この二つが重なり合いに
宝引荘の物語の根幹があるのです。

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